MCPサーバーがうまく動かないときは、接続、一覧の取得、個々のツールの呼び出しを分けると、止まっている場所を調べやすくなります。MCP Inspectorは、こうした確認に使える公式の開発者向けツールです。

この記事では、MCPサーバーを初めて調べる開発者向けに、Inspectorの用途と確認の順序を説明します。2026年10月27日に公式資料とGitHubの固定版を読みました。Inspectorのインストールや実際のサーバーへの接続は行っていません。

Web・CLI・TUIを用途で選ぶ

公式の概要では、ブラウザーで操作するWeb、コマンドで結果を得るCLI、端末内で対話的に操作するTUIが案内されています。同じパッケージから使い方を選べます。

使い方向いている確認
Web画面上で引数を入力し、ツールの結果や通信を見ながら調べる
CLI決まった要求を送り、結果をスクリプトやCIで扱う
TUIブラウザーを使わず、端末内で対話的に調べる

まず画面を見ながら調べたいならWeb、同じ確認を繰り返す処理に組み込みたいならCLI、という選び方ができます。これは記事での使い分けの提案です。どれが速いか、使いやすいかを比較実験した結果ではありません。

Webの公式説明によると、Toolsでは引数の入力と結果の表示、Protocolでは要求・応答などの通信記録を確認できます。NetworkはHTTP系の通信、Consoleはstdioで起動したサーバーの標準エラー出力を扱います。利用できる機能は、接続先が対応する機能や通信方式によって変わります。

接続、一覧取得、呼び出しを順に確かめる

MCPのTools仕様は、ツールを探す要求をtools/list、実行する要求をtools/callとして分けています。この区別を使うと、接続できたことと、目的の処理が成功したことを混同せずに確認できます。

確認する段階見るものそこから先に残る確認
接続接続先、認証、サーバーが示す対応機能必要なツールが一覧にあるか
一覧取得ツール名、説明、入力スキーマ渡した引数で処理が成功するか
呼び出し返された内容、エラーの有無結果がアプリの目的に合うか

例えば一覧に検索ツールが出ていても、検索に必要な認証がそろっているか、意図した条件で検索できるかは、呼び出しの結果で確かめます。一覧の取得だけでは、その処理が成功したとは判断できません。上の表は、仕様の要求を基に記事で整理した確認手順です。

また、返された内容があっても、エラーを示すisErrorを含む場合があります。結果の有無と成否を分けて読み、最後に自分のアプリで必要な内容が得られたかを確かめます。ツールの呼び出しは接続先の処理を実行するため、書き込みなどを行うツールは、影響を把握してから操作します。

CLIの例を読むときの注意点

CLIの公式説明では、1回の起動で接続し、--methodで指定した要求を送り、結果を出して終了します。接続だけを調べるinitialize、一覧を得るtools/list、呼び出すtools/callを選べます。

npx @modelcontextprotocol/inspector --cli node build/index.js --method tools/list

上は公式資料にあるstdioサーバーの一覧取得例です。node build/index.jsは接続先として起動するサーバーのコマンドなので、手元にそのファイルがなければ、そのままでは使えません。接続したいサーバーの説明に従って置き換えます。このコマンドは今回実行していません。

呼び出しには--tool-nameと必要な引数を指定します。CLIは--format jsonで結果を機械処理用に出力でき、認証、接続不能、ツールエラーなどを終了コードで区別します。たとえばtools/callの結果がisError: trueなら、資料上の終了コードは5です。自動処理へ組み込む際は、出力だけでなく終了コードも確認対象になります。

今回確認した版と、試していないこと

参照した公式ドキュメントはURL上の2026-07-28版です。GitHubは固定コミットのREADMEとpackage.jsonを確認しました。このコードのパッケージ表記は2.12.0、Nodeの要件は22.19.0以上です。

確認したのは資料と固定コードの記述です。npxで実際に取得される配布物、各OSでの起動、認証、特定サーバーとの互換性は検証していません。手元で使う際は、採用するパッケージ版と接続先の条件を改めて照合してください。

モデルが呼び出しを要求してから、アプリが結果を返すまでの役割は、AIの関数呼び出しで、モデルとアプリが担当することで説明しています。Inspectorで通信を調べる際にも、要求と実行結果を分ける考え方が役立ちます。

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